今日、カウンセラーの講座で、エンプティ・チェア技法の体験をしました。
エンプティ・チェアとは、先日(2020年11月12日)のブログでも簡単に触れましたが、精神科医パールズ F.S.によって開発されたゲシュタルト療法の中の一つの技法です。
空の椅子に向かって話をすることで気づきを得ると言うものです。
まず、椅子を2脚用意してください。
それから、何かを伝えたいけど言えない相手を想定してください。家族でも職場の人でも友人でも、人間関係を改善したいと思う人です。
一つの椅子にはまずあなたが座ります。
もう一つの誰も座ってないempty(空)chair(椅子)に、あなたが何かを伝えたいと思っている人物が座っていると仮定し、今までに伝えることができなかった意見や気持ちを話します。
それだけでも少し気持ちがスッキリします。
次に、空いていた椅子にあなたが移動します。配役が交代した役者のようですが、相手に代わって、あなたが発言します。そのとき、相手の考え方に思いを馳せないと、言葉が出て来ません。
次に、また元の椅子に移動し、相手の言葉を受けて、あなた自身があなた自身の考えで発言します。
このように、2つの椅子を行き来することで、相手との対話を両方の立場から行います。
エンプティ・チェアは教科書で知識として学んでいましたし、実際に行う場面もイメージできていましたが、自分自身が今起きている悩み事で行ったのは初めてでした。
頭の中で「私がこう言ったら、相手はどのように返してくるだろうか」と予想することは、日常的に考えることですが、実際に椅子に座って、声に出していうと、自分の感情も相手の感情も理解しやすくなると思いました。
頭の中だけで相手について考えると、怒りや悔しさのような負の感情が増幅されてしまうのですが、今日の体験では、声に出したり、椅子を移動したりするなかで、少し幅広く相手の考えに思いを巡らせることができたと思います。
椅子がなかったら、座布団でもハンカチでも良いと思いました。
身体を動かすこと、つまり、相手の場所に座り、実際に声を出すことがポイントです。
人間関係でモヤモヤしている方、是非一度試してみてください。