2016年にノーベル生理学・医学賞を受賞された大隅良則氏の話をオンラインで聴く機会がありました。
大隅氏は、大学の進路選択について次のようなアドバイスをされました。
■日本の大学は入学時に細かく専門が分かれていて、早くある分野の専門家になって、社会に出て仕事をすることが基本に考えられている。
しかしながら、進歩が速い今の時代では、専門分野を早くから決めてしまうことで、逆に人の能力を引き出せないところがある。
教養としていろいろなことを幅広く学んでいた人の方が強い。
■国語や社会が苦手だから理系といった消去法で進路を選ぶのではなく、自由に自分の将来を決めて欲しい。
一度進学して、途中で向いていないと思ったら、(大学や学部を)変わっても良いくらいの気持ちで勉強しても良いのではないか。あるいは、大学院に進む場合に専門を何にするか再考しても良いのではないかと感じている。
■これなら素晴らしい選択であるというものはない。勉強は大学に行かなくてもできる。今は、インターネットで海外の大学の授業を聴くこともできるような環境になった。
進路選択では、楽しく、自分のやりたいことをやれること、いろいろな人と出会うことを大事に考えて欲しい。
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どのような勉強が楽しいか、自分のやりたいことが何かが分からない高校生も多いかもしれません。やりたいことを見つけるのが大学で、自分にとって楽しいことは何か、友人と話しながら探すのが大学生活なのかもしれません。
新型コロナウイルスの影響で、行動が制限されるなか、学生の皆さんにはオンラインも活用して、幅広く教養を身につけ、やりたいことを焦らずに探して欲しいと思います。