柚子のキャリア・コンサルティングルーム

第一志望かと聞かれたら何と答えますか

受験シーズンになりました。

この時期になると思い出すのが、「両方受かったら、どちらに行くつもりか」と面接で質問された中学校受験のことです。

何十年も前のことなので、今も中学入試に面接があるのかどうかも分かりませんが、私が中学受験をした頃は、面接がありました。

東京都内の私立中学校の受験日は、2月1日、2日、3日の期間に集中しています。また、試験日を複数設ける学校は少なく、2校くらいしか受験するチャンスはなかったと記憶しています。

私は2月1日に第一志望校(A中学校)を受けて、2日に第二志望校(B中学校)を受けました。第一志望校と第二志望校は、偏差値の難易度に開きがありました。

A中学校はチャレンジ校だったわけです。

でも、当時12歳の私は合格率の意味もあまり理解していなくて、「合格率50%なのだから、受かるかもしれない」という淡い期待を持っていました。

B中学校の面接の時に、1日に受けた学校を面接官の先生から聞かれました。学校名を答えると、「両方受かったら、どちらに行くつもりですか?」と質問されました。

面接の練習をしていなかった私がどう答えたものか、、、一瞬の間に頭の中ではぐるぐる思いが巡ります。。。

こんなことを思いました。

塾の先生や親(大人)からは、テストで良い点をとること、すわなち、偏差値の高い学校へ行くことを目標にするように言われてきたのに、目の前の先生(大人)は、あきらかに分かっている質問をするのはどうしてだろう。

もし、ここで「B中学校です。」と答えたら、明らかに嘘をついていると分かるのに、嘘をつけと言っているのだろうか。。。。でも、A中学校と答えたら、失礼な気もするし、どうしよう。。。

私は小さい頃から、不器用なところがあって、躊躇はしましたが、嘘つきと思われたくなかったので、「A中学校に行きたいと思っています。」と答えました。

そうしましたら、面接官の先生の顔色があっと言う間に変わって、「ウチは、滑り止めっていうことだね!」と投げやりでいて、強い口調でおっしゃるのです。

「滑り止めとは考えていません。ただ、A校でチャレンジしたい。」ということを慌てて話しをしましたが、ほとんど相手にしてもらえませんでした。

後で、塾の友達に聞いたら、受けた学校が第一志望と答えるのは、「当たり前じゃないの!(バカじゃないの!と同義の言い方)」というレベルだったようです。

結局、私の中学受験はA校もB校も不合格でした。

その時の教訓から、自分の就職活動では、いつも「御社が第一志望」と迷わず答えるようにしてきました。

また、面接練習で私が面接官をする時は、必ず「他にどのような会社を受けていますか。両方受かったらどうしますか。」を質問することにしています。

最近は、「第一志望群です。」と答える学生さんが多いですが、どのように答えたら正解というのはないと思っています。

今思うと、私が中学受験で「A校です」と言ったのは、面接官が求めた正解ではなかったのですが、私自身は、B校という学校の一面が分かったできごととなりました。

もし、自分に嘘をついて正解の回答である「B校です」と答えて、B校に進学していたら、校風が合わなかったのでないかと思います。

だから、私にとっては正解だったのです。

答えにくい質問こそ、そのあとの面接官とのやり取りで、「このような仕事ができる会社に行きたい。」ということをアピールできるチャンスであり、また、社風を知ることができる場と捉えて欲しいと思います。

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