柚子のキャリア・コンサルティングルーム

映画『メメント』

監督:クリストファー・ノーラン、主演:ガイ・ピアース、2000年公開

Memento(メメント)は、ラテン語で「思い出せ」という意味とのことです。

映画は、強盗に襲われて妻を殺され、犯人との格闘で頭部を損傷し、10分間しか記憶を保てない前向性健忘症になった男性が犯人を復讐するサスペンスです。

すぐに忘れてしまうため、体中にタトゥーを彫ったり、写真にメモを記録し、犯人を探していきます。

この映画の特徴は、進行方法です。

事件までの記憶はあるが、事件後はすぐに忘れてしまうといった特徴を表現するためか、時系列と逆向きに場面が何度も切り替わって進行するために、とても難解でした。

複雑なストーリー展開によって、さらに恐怖を感じるといった作品です。

映画の作品としての評価は、よく分かりませんが、私自身は、認知症の方の疑似体験をしている気分になりました。

物忘れが最近特に顕著になった高齢者(92歳の義母)と同居しているので、私自身が認知症について興味があるからそのように思ったのかもしれません。

映画を観ながら、(記憶できないから)「もしかしたら何度も同じことを言っているかもしれない。」「周りの人が嘘を言っているかもしれない、」という、認知症の人が抱えている不安を体感できました。

映画のなかで、「記憶ではなく、信じられるのは記録だ。」という言葉が印象的でした。

映画の本質とは違いますが、認知症の方にも、とにかくメモをとってもらうのは、少しでも不安を取り除くのに効果的ではないかと思いました。

コメントを残す