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ニコ・ニコルソン/佐藤眞一『マンガ認知症』

ニコ・ニコルソン/佐藤眞一『マンガ認知症』筑摩書房、2020.6.10第1刷、2020.9.10第5刷

認知症を発症した祖母と同居しているマンガ家のニコ・ニコルソン氏が、日常に起る“事件”をほっこりとしたタッチの漫画で描いています。

認知症のおばあさんの様子を描いたマンガがあり、通常では予想がつかないような行動について、心理学の専門家・佐野眞一氏が解説するという構成になっている本です。

なぜそのような行動をするのかといった解説だけではなく、具体的な接し方のアドバイスが書いてあり、とても参考になりました。

■認知症の人は、基本的に孤独の中で生きている。

「お金を盗られた!」と怒り出したら、

①「お金は大事だよね。」と同意しつつ、探すように促す。

②介護者が疑われないよう、本人に見つけてもらう。

③あまりに興奮しているときは、声をかけず、静まるまで距離をとる。

■怒ったり、悲しかったり、不快な記憶ほど残りやすい。

同じことを何度も聞かれるときは、

①あとで確認できるよう、返事をメモの形で渡す。

②拒否されていると感じさせてしまうので、「さっきも聞いたでしょ」と返すのは避ける。

■アルツハイマー型認知症の場合、もっとも覚えにくいのは「近時記憶」。

「近時記憶」とは、数分から10分ほど前の記憶のこと。

認知症の人が覚えている昔の話を笑顔で聴くことでコミュニケーションをとると、認知症の人の気持ちも安定する。

確かに、高齢の方は、昔の話はよく覚えていて、辛かったことも昇華していますから、とても楽しそうにお話をします。

昔の話を聴くことは介護する側も楽しくて良いのですが、同じ話を何度も繰り返すので、聞く側は忍耐力が必要になると思います。

先日ブログに書きました映画『メメント』の話になりますが、映画の設定も10分しか記憶が残らないというものだったので、まさにアルツハイマー型認知症と同じです。

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