安岡正篤『「こころ」に書き写す言葉』三笠書房、2010.7.10第1刷
安岡正篤氏(1898~1983)は、東洋思想研究の第一人者として、歴代首相の指南役をはじめ、政財界のリーダーたちの精神的支柱として指導的役割を果たした方です。また、平成の年号の考案者としても知られています。
この本には、安岡正篤氏の著作や講演録から選び出した言葉が収録されています。
人生を見つめる品格のある言葉が並んでいます。人生について考えたいときに手に取って欲しい本としてお薦めします。
この本にあるすべての言葉がキャリア(人生)に関するものといえますが、特に就職や転職を考えている方にお伝えしたい言葉を以下三つ紹介します。
■自分を知る - 一番大事で難しいこと
人間、何が悩みかというと、自分が自分を知らないことである。
人を論じたり、世を論じたりすることはやさしいが、自分を論じ、自分を知るということが実はこれが一番大事なのである。
■職業とは - 進歩し続ける人
職業に二つの意味がある。
一つは、それによって生活を営む手段とすること。
一つは、職業である仕事を通じて世のため、人のためになるということである。
これあるによって職業は神聖であり、進歩があるのである。
■夢中になる仕事 - 「その気」になりさえすれば
我々は、いつでも、自分が幸福を感ずる、生き甲斐を感ずるところの仕事を持たねばならぬ。
人間は、その気になりさえすれば、必ず夢中になるような仕事はあるものだ。
そして、我々はいつでも、意義のある、感激のある仕事に自分の全身全霊を打ち込んで暮らすに限るのである。