柚子のキャリア・コンサルティングルーム

俳優とカウンセラーの共通点

キャスティングディレクター奈良橋陽子氏の話(2020.11.30日経新聞夕刊記事)から。

奈良橋陽子氏は、ハリウッド映画に日本人俳優を送り込んできた方で、俳優養成所を主宰し、演出家や作詞家でもあります。

奈良橋氏が俳優を目指していた頃、演技の基本は「Really talk and really listen(心を込めて語り、真摯に聞く)」と教わったそうです。

「演技をしよう」となると、自分がどう表現するかばかり考えがちにになるけれど、必要なのは「相手の心を聞く」姿勢。

相手に耳を傾け、瞬間の気持ちを読んで、返す。それが演技の技術につながると語っています。

これを読んで、カウンセラーも同じだと思いました。

「アドバイスをしよう。」となると、自分が何をアドバイスしたら良いのか、そのことばかり考えがちになってしまいます。

相手に耳を傾け、瞬間の気持ちを読んで、返すのはカウンセラーの最も基本とするところです。

奈良橋氏は、演技の表現で大切なのは「感じる力」であり、俳優養成所では音や感触など五感を研ぎ澄ませる訓練をしているとのことです。

五感を研ぎ澄ませることで、「感じる力」が付くと言うのは、相手の話を聞くことだけを考えていた私にとっては、大きな気づきになりました。

日常の過ごし方を振り返ると、いかに効率的に物事を進めるか、あるいは考え事をしながらと、いろいろなことをしているけれども、五感に注力することをしてこなかったと思いました。

カウンセラーの仕事のためだけでなく、「感じる力」を高めることに意識を向けて日々過ごしてみようと思います。

たとえば、同じ道を散歩していても、「感じる力」が高くなれば、発見することにたくさん出会うわけで、より豊かな人生になるはずです。

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